一周してIMACの登場

特に保守系民主党員を中心とした、現在の草案では長期にわたる費用抑制効果があまりないとの懸念を表明している議員らに対しヘルスケア改革法案への支援を てこ入れしようとする中で、オバマ政権は現在、メディケアの年間支払いレートやその他の改革に関する勧告を行う権限を持った、独立メディケア諮問委員会 (Independent Medicare Advisory Council、以下IMAC)の創設を提案している。

これは、オバマ 大統領が保険福祉省(HHS)長官とホワイトハウスのヘルス改革オフィス(White House Office of Health Reform)ディレクターの両ポストに当初指名していたトム・ダシュル前上院院内総務が、連邦健康理事会(Federal Health Board)の創設を支持していたことを思い起こさせる。連邦健康理事会は、連邦準備基金(Federal Reserve Board)をモデルとした、ヘルスケア政策に関する意思決定を行う権限を持った独立機関として構想されていた。ホワイトハウスのラーム・エマニュエル主 席補佐官の兄で、現在、行政管理予算局(OMB)のピーター・オーザック局長のヘルスケア・アドバイザーを務める国立衛生研究所(NIH)のエゼキエル・ エマニュエル博士もまた、連邦健康理事会の創設を支援していた一人だ。

ダシュル氏が去った後は特に、連邦健康理事会の構想には将来的な展 望はあまりなかった。議会によるメディケア政策への干渉は、質の高い、費用対効果の高いヘルスケアシステムの構築という大きな目標のためというよりも、狭 い政治的な関心を満たすものであることが多いことは認めるとしても、政治的プロセスから意思決定を疎外し、その代わりにそれをいわゆる「専門家」の手にゆ だねるのは、結局、本質的に非民主的だ。

連邦健康理事会の構想は頓挫したかに見えるものの、ジェイ・ロックフェラー上院議員は、連邦健康 理事会と同様の役割を果たすことができるように、メディケア費用諮問委員会(MedPAC)の権限拡大を提案、これはオバマ政権にも受け入れられた。しか し、下院案にも、上院の米上院健康・教育・労働・年金委員会(Health, Education, Labor, and Pensions Committee、HELP委員会)案にも該当する条項は含まれていない。

今、IMAC構想は明らかに勢力を増しており、事態はふりだ しに戻ったように見える。名称の変更はこの構想をより受け入れやすいものにするかもしれないが、連邦健康理事会との相違は単なる見た目の問題だけではない ようだ。連邦健康理事会とは対照的に、IMACの政策立案権限は、政治的プロセスから部分的にしか隔離されていない。オーザックOMB局長はこのプロセス を、ナンシー・ペロシ下院議長に宛て先週送付した書簡で説明している。

提 案された法案では、IMACによる勧告について大統領が一括して承認もしくは非承認することを要請する。大統領が勧告を受け入れた場合、議会は30日以内 に両院合同決議による介入を行う。議会の介入がなければHHS長官により勧告は実行に移される。大統領がIMACの勧告を入れない場合、もしくは議会が両 院合同決議を通過させた場合、IMACの勧告は無効または取り消しとなり、現行法が引き続き適用される。もしIMACによる改革案が議会または大統領の定 める目標に沿っていない場合には、毎年のメディケアによる支払いレートの更新やその他のメディケア改革に関するIMACの自治権を維持しながら、審査プロ セスに介入することが許されている。

現在、議会はもしMedPACの勧告に同意し、その法制化を望む場合には自ら行動する必要がある。対 照的に、IMACでは、議会はもしIMACの勧告が法として施行されるのを事前に阻止したいなら、行動を起こす必要がある。あらゆる活動において議会が合 意にいたることが困難であることを考えれば、この条項自体はIMACを政治プロセスから少しの間効果的に切り離し、少なくとも表面的にはIMACを議会の 監視対象にする。オバマ大統領がヘルスケア改革に関する今晩のプレス発表で、IMAC構想を持ち出すかどうかに注目しよう。

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